山椒魚とエイ

今治のお城の堀に何かいる、ということ。で、正体はエイだった、と、TVが報道。え、エイって海の生き物でしょう、と。私の声が聞こえたのか、すかさずアナウンサーが「ここは海と通じているので、紛れ込んできたのかも」とコメント。
なるほどね。で、井伏鱒二さんの「山椒魚」を思い出しました。暗い洞窟でノンビリしていた山椒魚が、いつのまにか大きくなって穴から出られなくなった、という話。中学の国語の教科書に載っています。でもこれ、なにかの比喩ですよね。
それがなんなのか、いまだに分かりません。執筆当時はイケイケの大日本帝国時代ですから、それに対する皮肉かな、とも思えますが、井伏さんて、そんな回りくどいことはしないはずなので、と、ズーと引っかかってました。
この小説は、結末が御本人によって削られていて、それがまた問題になってしまって。亡くなるまでどっちがいいのか、井伏さん自身も悩んでいたそうで。正直な人なんですよ、まったく。「人間と現代文明への絶望」と解釈する評論家もいて、ちょっと私如きには、考えが至りません。
でも、今度のエイ事件で、意外と素直に読んでもいいのかしら、とも思えてしまって。自然界には、こんな奇奇怪怪なこともあるのだよ、と、私たち人間が知ることが本意かな、と、思うこのごろです。www.bofu-tsusyosan.com/